Preface#

本ノートは,MEA で取得される神経活動データを解析・可視化する定番の手法を簡単に紹介することを目的としています. しかし内容には当然,偏りや見落としがあることと思います.追加すべきと考える内容がございましたら,ぜひ右上の Open Issue ボタンから編集リクエストをお寄せいただけると幸いです.

章立てにあたり,MEA で取得される神経活動データを spike(発火時刻)と signals(信号)の 2 種類に大別しました.以下で各章の概要を述べます.

introduction#

本ノートはプログラミング言語として Python を使用しています.Python を使用するにあたり,はじめての方は環境構築が必要です.環境構築の手順や,環境構築に関係する便利なツールについてPythonで簡単に紹介しております.

Important

また,本ノートではサンプルデータを用いて解析をデモンストレーションします.サンプルデータのダウンロード,セットアップ方法はDatasetsを参照してください.

spikes#

MEA の各電極では,細胞外電位の信号が記録されます.神経細胞は活動電位(spike)によって情報を表現すると考えられているため,神経細胞のネットワークを情報処理システムとして見た際にもっとも本質的な情報は,spike の時刻です.

まず,多数の電極で記録された spike 時刻を直感的に把握するための可視化手法をVisualization of Spike Dataで述べます. 次に,多数の神経細胞が同期して発火する現象であるバーストについて Burst Detectionで述べます.

細胞集団はシナプス結合によってネットワークを構成しますが,各細胞の発火の時間的相関を分析し,機能的な結合強度を推定する手法についてCorrelation Analysisで述べます.

また,MEA では細胞集団の自発活動を計測するだけではなく,電気刺激を加えて活動を誘発することができます. 誘発された活動を可視化する手法について,Peri-Stimulus Time Histogramで述べます.

signals#

前章では,各電極の spike 時刻を既知としましたが,実際には細胞外電位の信号から,活動電位の波形を検知する過程があります. Spike Detectionでは,フィルタ等の前処理,および閾値に基づく spike 検出について述べます.Spike Sortingでは,複数の細胞が混在する電極の信号から,単一細胞ごとの信号を推定する統計処理について述べます.Simulationでは,膜電位から細胞外電位のシミュレーションを通じて信号の生成過程を理解します.


Note

各ページは独立に構成されているため,コードはページ単位で動作します.見栄えの都合からコードをトグルにより非表示にしている部分がありますので,実行の際は注意してください.